元祖デイープステート告発者、ウィリアム・クーパー氏 1-3

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二つ目の出来事は、他の潜水艦たちが魚雷演習をしていた日のことだった。展望塔に大きな防水シートが被せられた潜水艦が入港してくるのが見えた。防水シートを展望塔の両側から支えている何かが見え隠れしていたが、それが何であるのかはわからなかった。後でジェロニモリンカーンの3人で、その潜水艦が停泊しているところに出かけて行って、その防水シートの下をめくって見てみることになった。するとそれは魚雷に撃ち抜かれた潜水艦の背びれだったのである。仲間内の魚雷演習で、一方の潜水艦が見事にもう一方の潜水艦の背びれを撃ち抜いていたのだ。私たちはその場で笑い転げてしまった。しかし笑いながら、これは笑い事ではない、と顔を見合わせながら3人は真顔にもどっていった。潜水艦勤務は、思い描いていたほど素敵なものではなかった。

そして、あの3番目の出来事、だ。それはポートランド・シアトルと真珠湾の間の海洋を航海していた時の事だった。私は午後の当直勤務で左舷の見張り番が担当だった。ジェロニモは右舷の見張り番をしていた。少佐が看板部士官を務めていた。潜水艦は、海上を10ノットで走行していた。ジェロニモリンカーンと私の3人は潜水艦上のブリッジにいた。雲は少なく、よく晴れ渡った日だった。涼しかった。リンカーンは階下に降りて行った。ジェロニモと私は艦体の前から後ろ、地平線から空、天頂まで、終わることのない監視業務を延々と続けていた。繰り返し繰り返し監視を続ける、そして眼を休ませるために小休止。私は少佐にコーヒーを頼んだ。少佐が1MC(コミュニケーション・ツール)に身をかがめた時だった。私は双眼鏡を再び持ち上げ眼にあてた。その時だ。巨大なデイスクが海洋から昇ってくるのが目に飛び込んできた。その周りの空気から水しぶきがほとばしり流れている。その物体はゆっくりと軸を変え、雲の中に消えていった。私の心臓は高鳴った。言葉を発しようにも固まったままだ。いや、話さない方がよい、と心は変化していた。今、目の前で空母ほどの大きさの円盤が海中から飛び出し、雲の中に消えていったなんて、そんな誰も信じない話しをするのは止めた、と決心した。私はすばやく、私の他に誰かこれを目撃した者がいないか、辺りを見回した。少佐はずっと1MCに屈んだままだ。コーヒーを注文しているのだから。ジェロニモと言えば、後尾の左舷のあたりを見下ろしている。私はこれを報告すべきか、報告しても誰も信じる者はいないだろう、等という葛藤の中で板挟みになった。再び目を海洋に戻してみる。そこにはただ、空と雲と海があるだけだった。何事も起きなかったかのようだ。私は夢をみたのではなかったのか。少佐が上体を起こしジェロニモに向かってコーヒーはもうじき出来るよ、と言っている。私は再び、左舷船首から相対的に約15度、約2.5海里のその問題のスポットに目を戻した。何の形跡もなかった。私は遂に『少佐、私は左舷船首から15度のあたりで何かを観たのですが、見失ってしまいました。』と声をあげた。『その方面を一緒に観てもらえませんか?』少佐が振り返り、双眼鏡を持ち上げ眼にあてた。その時は気づかなかったが、ジェロニモも私のその声を聴いて双眼鏡を眼にあてていた。その時、何かが、これまでの単調な一本調子を突き破った。私も双眼鏡を持ち上げ、ちょうど眼にあてたその時だった。巨大な、円盤の形をしたものが、雲の中から飛び出し、角度を変え、海面を押し、海洋に穴をあけ、視界から消えていったのだった。信じられない光景だった。この時は裸眼で確かめることが出来た。例えることなど出来ない、何事とも比べることなど出来ない光景だった。少佐はショックのまま立ち尽くしている。双眼鏡を手にしたまま、口をポカーンと開けたままだ。ジェロニモが叫ぶ。『Holy Shit!やっべー、何だ、これって、おい、お前、今のみたか?』少佐は、信じられない、といった顔で私を見ながら低い声でこう言った。『私が指揮を執る。』少佐は直ちに1MCのオーバーライドを押し、『部隊長、船橋へ!部隊長、船橋へ!』と叫んだ。そしてその後もう一度スウィッチを押し『誰か、カメラをもってきてくれ!』と叫んだ。部隊長が階段を駆け上ってくる。その後に需品系将校が続く。需品系将校であるクインテロは、35ミリカメラを首から下げている。部隊長は、少佐が事の顛末を説明するのを根気よく立って聞いていた。彼は我々のほうへ眼をやる。我々は、その通り、と頷く。それで十分だった。部隊長は1MCにアナウンスをかけ、こう言った。『こちら部隊長、今後の操舵の指揮を執る。』ただちに舵士から『 アイ、アイ、サー!』の声が上がった。この出来事は艦内で噂となって広がっていった。部隊長はレーダーを注意深く監視するよう命じた。我々5人(私、ジェロニモ、少佐、部隊長、需品系将校)が海洋をじっとみつめていると、またしても同じ円盤、もしくは全く同じ形態の『物』が、ゆらゆらと海面から姿を現したかと思ったら、空で向きを変え、軸を傾け、消えて見えなくなった。需品系将校がそれを写真に収めるのを、私は目の端のほうで確認していた。この時までに私の中で、3つの結論的なイメージが出来上がった。その物体は、間違いなく金属で出来たマシーンであるということ。そしてその物体は誰かによって操縦されていた、ということ。鈍いピューターのような色だったということ。ライトが無かったこと。舷窓のような一列のラインを観たと思ったが、これについては100%の確信はない。この物体は何度も海面から上がってきては雲に隠れ、また姿を現したかと思えば海面下に消えていった。それを何度も何度も繰り返したのだ。それが10分ほど繰り返された後、その物体は永遠に姿を消したのだった。船橋から降りる前に部隊長は需品系将校からカメラをもらい受け、今、ここで観たことを決して口外しないように、と全員に指示した。事は機密条項にあたり、これについて仲間内でしゃべったりしないよう、またここにいる誰とも今後これについてしゃべることのないように、と指示を出した。我々はその命令を承認した。パールハーバーに入港後も、このUFOを目撃した我々だけは上陸を許されないで、艦内にとどめ置かれた。2時間ほど経過した。すると海軍諜報機関の司令官が乗船してきた。彼は部隊長の専用室へ直行した。まもなく我々全員が、部隊長専用室の真ん前の廊下に呼び出された。少佐がまず中へ呼ばれる。10分ほどで終わり上級士官室へ戻って行った。その顔は震えているように見えた。次は私の番だった。私が部屋へ入っていくと、その司令官は私の勤務記録を手にもっていた。彼は、私が何故空軍から海軍へ編入したのか、と尋ねた。私はことのいきさつを話した。あれだけ船酔いのことを心配していたが、入隊以来船酔いを一度も経験していないと告げると彼は可笑しそうに笑った。急に彼の本当の顔が姿を現した。私の眼を真っすぐに見ながらこう聞いた。『お前はそれで何を眼にしたのか?』私は答えた。『多分、円盤を目撃したと思うのであります。』男は目に見えて震えだし、不愉快極まりないといった調子で怒鳴りだした。そして今後死ぬまで拘置所から出られなくなるぞ、と脅すのだった。男の怒鳴り声は永遠に止みそうにない、と思った瞬間、怒鳴り声はピタリと止まった。私は混乱していた。私は上官の質問に真正直に答えたのだ。しかし結果、一生拘置所行きだと脅される。怖かったわけではないが、確信もなかった。別の答え方のほうが賢明だ、と咄嗟に理解した。18年の父親の教育、そして4年の海軍の経験から、たった一つ重要なことを学んでいた。それは、上官は決してこのように平静を失ったりなどしない、ということだった。二つ目は、今の私の答えがそれほどまでに上官のお気に召さなかったということは、全く正反対の答え方をしたほうが身のためではないか、ということ。そして三つ目は、そのように仕向けるように上官はわざわざ親切で演技をしてくれているのではないか?、ということだった。『ではもう一度初めからやり直しだ。さて、お前は何を観たのかな?』

『何も観ておりません!』と私は答えた。『何一つ観ておりません!!そして出来れば、出来るだけ早く(兵舎へ)帰していただけないでしょうか?!』と付け加えた。途端に司令官の顔がほころびる。部隊長もほっとした面持ちだ。『それは本当だな?、クーパー?』『はい、本当のことであります!』と私。『クーパー、お前は良い海軍兵だ。海軍はまさにお前のような男を必要としているのだ。きっと出世するぞ。』そして彼は紙に書かれた文書を私に読ませた。その文書には大体以下の様な内容が書かれていた。『私が今後、観なかったものを観たなどと口外した場合、上限1万ドルの罰金、最長10年の禁固刑、またはその両方が課せられる。』と。それに加え、すべての給金、手当が無効になる、とも書かれていた。私はその紙に署名をした。そしてやっとその場の退出が許可され兵舎へ戻された。この後、私は潜水艦業務を離れ、『USS Tombigbee』に配属となった。『Tombigbee』はガソリンタンカーだった。潜水艦より危険な業務だ。部隊長は気が狂った奴だったし、乗組員は全員、馬鹿か不適合者ばかりだった。一度、海員が将校を襲う現場を、下士官としてピストルを抜いてその場を収めなければいけなかったこともある。『Tombigbee』は、真夜中に、モロカイ海峡で駆逐艦と衝突事故を起こし、駆逐艦は殆ど真っ二つに割れ、7~8名の死者を出した時があった。タンカー乗船の毎日は『Mr Roberts』という映画のシーンそのものだった。私は航海専門家を目指し、2等海曹に昇進した。(1-4へ続く)

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