フラット・アーサー、あなた大丈夫ですか? ③ デイヴ教授

 

画像1 これはフラット・アースの地図ですか?


ではもっと簡単に、飛行機を使って説明してみることにしましょう

その前に、フラット・アースの地図をもう一度よく見てみることにしましょう。実はフラット・アーサーたちは、世界地図さえ持ち合わせていないのです。この(画像1)地図は、フラット・アースの地図などではなく地球の『正距方位図』と呼ばれるものなのです。つまりこれは、北極から見下ろした地球であり、その表面を平面に広げることによって立体を平面化させて示した地図なのです。そのため、当然ながら縮尺線はすべてひずんでいるのです。中心から離れれば離れるほど、ひずみはどんどん大きくなっていきます。そのため、南半球に至る所で問題が露骨になってしまうのです。ではいよいよここで飛行機の出番です。具体的な例を出しながら考えていきましょう。南米チリのサンティアゴとオーストラリアのシドニー間を飛行するとしましょう。もし地球が平たいというのなら、どのような飛行経路を選ぶことが望ましいでしょうか?一番の近道は、南アメリカから北アメリカへ飛び、アラスカを越え、一直線にシドニーに飛行する経路が取られるはずですよね。ところで、これらの都市間を飛んでいる航空会社は実在するのでしょうか?それが実在するのです!ラタム航空という会社なのですが、この航空会社はサンティアゴシドニー間を週 4 便のペースで運航しています。では、この飛行機はどのような経路を使ってこの二つの都市を飛行しているのでしょうか?南アメリカから北アメリカへ飛び、アラスカを越え、一直線にシドニーに飛行しているのでしょうか?答えはノーです。そうではなく、飛行機は、太平洋上を飛行するのです。ちなみに飛行時間は、サンティアゴからシドニーへの飛行であれば14時間15分、シドニーからサンティアゴへの飛行であれば12時間25分かかります。もし地球が平らであるというのなら、このルートはとてつもなく長く、まったく不要な弧を描くことになってしまうのです。しかし当然のことなのですが、地球は球体です。ですから実際は、上図の『正距方位図』とは異なり、南極に向かうにつれて緯度線はどんどん短くなっていきます。ですから画像2が示すようにサンティアゴシドニー間を最短で飛行しようとするなら、太平洋上を横断することが理にかなっているのです。さらにフラット・アーサーたちは、もし地球が球体であるのなら、飛行機が地球の曲率に合わせて常に沈みながら飛行していないのはおかしなことではないか?と問題視することを好むようです。しかしそれは、彼らが飛行機の仕組みを全く理解していないことを露呈させてしまっているのです。飛行機は常に一定の高度を保ちながら飛行しており、その高度が地球の曲率に一致している、というのが正確な理論なのです。

 

画像2 サンティアゴシドニー飛行経路

(4に続く)

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