タッカー・カールソン、プーチン大統領インタヴュー前夜 ①

 

米ジャーナリスト、タッカー・カールソン

我々は、現在モスクワにいます。ロシアの大統領、ウラジーミル・プーチン氏をインタビューするため現地入りしました。インタヴューはもうすぐ行われます。このようなインタビューを行うことには、リスクが伴います。ですから、実行するにあたっては何ヶ月にも渡り注意深く考えてきました。我々がこのインタヴューを行う理由を述べたいと思います。まず第一に、それが『仕事』だからです。我々は、ジャーナリズムを家業としています。我々の責務は、人々に情報をもたらすことです。世の中全体の形を変えつつあるこの戦争が始まって2年が経った今も、殆どのアメリカ人には何も知らされていません。彼らは、ここロシア、あるいは900マイル離れたウクライナで何が起こっているのか全く理解していません。しかし、彼らは知るべきなのです。何故なら、事実を充分に認識せずにその代償の多くを支払わされているからです。ウクライナ戦争は人災です。何十万人もの人々が亡くなっています。若い世代のウクライナ人たちが亡くなっているのです。 しかし、長期的な影響はさらに深刻です。この戦争により、世界の軍事同盟や貿易同盟は完全に再構築されたのですが、その後の制裁措置も同様に再構築されました。全体的にみてみれば、世界経済はひっくり返されたのです。第二次世界大戦後の経済秩序、西側諸国の繁栄を80年以上にわたり保証し続けてきたシステムは、急速に崩壊し始めており、それに伴い米ドルの支配も崩壊しつつあります。これらは決して小さな変化などではありません。歴史を変えるような出来事なのです。 我々の孫たちの人生を決定するような出来事なのです。世界の殆どの国の人々は、このことを完全に理解していると思います。彼らにはそれが見えているからです。 アジアや中東にいる人に、将来がどうなるのか一度尋ねてみてください。しかし、英語圏にいる人々は、殆どこのことに気づいていないようです。彼らは、何も変わっていない、と考えています。 誰も真実を伝えてくれないので彼らはそう考えているのです。メデイアは腐敗しています。 彼らは読者や視聴者に嘘をついているのですが、その殆どは『手抜かり』によって行われます。例えば、ウクライナ戦争が始まったその日以来、アメリカのメディアは、多くのウクライナの人々と話をし、ゼレンスキー大統領とのインタビューを数多く行ってきました。我々自身もゼレンスキー氏とのインタヴューを申し入れています。 彼が我々の招待を受け入れるくれることを願っています。しかし、ゼレンスキー氏がアメリカで既に行ったインタビューは、伝統にのっとったインタビューではありません。それらは、特にアメリカが東ヨーロッパにおけるこの戦争にさらに深く介入し対価を支払うことを願った、ゼレンスキー大統領の要求を増幅させることを目的としたこびへつらいの激励セッションとでも言えるものです。それは到底ジャーナリズムとはいえないものです。それは政府のプロパガンダであり、最も醜い種類のもの、つまり人々を殺す種類のプロパガンダなのです。我が国の政治家や報道機関も、同時にこれを行っており、まるで新しい消費者ブランドを持っているかのように外国指導者を宣伝しており、この紛争に巻き込まれている相手国の大統領、ウラジーミル・プーチン氏にわざわざインタビューしようとする西側ジャーナリストは1人もいないのです。殆どのアメリカ人は、プーチン大統領が何故ウクライナに侵攻したのか、またプーチン大統領の今の目的は何なのかを理解していません。彼らは、プーチン氏の声を聞いたことが無いのです。そんなことは間違っています。アメリカ人には、この戦争についてできる限りのことを知る権利があります。 彼らはこの戦争に関与しているのであり、我々もまた同じアメリカ人なのですから、それについて彼らに伝える権利があるのです。言論の自由は私たちの生得の権利です。私たちは、自分が信じていることを言う権利を持って生まれてきているのです。ホワイト・ハウスに誰がいようと、その権利を奪うことは出来ません。にもかかわらず彼等はそうしようとしています。約3年前のことですが、バイデン政権は我々のテキストメッセージを不法にスパイし、その内容を彼らの御用達ニュース・メディアに漏らしました。彼らは、我々が計画していたプーチン大統領へのインタビューを阻止するためにそれを行ったのです。先月、バイデン政権は再び全く同じことをしました。しかし我々は今回はとにかくモスクワにやってきました。我々がここにやってきたのは、プーチン大統領のことが『好きだから』、ではありません。我々がここへやってきたのは、アメリカを心から大切に思っているからなのです。そしてアメリカが繁栄し、自由であり続けることを望んでいるからなのです。我々は、今回の旅費を全て自分たちで支払っています。いかなる政府や団体からも金銭を受け取っていませんし、インタビュー動画に対する視聴料を請求するつもりもありません。誰でも、ウェブサイト上で( Tucker Carlson .com )、編集されていない全編を視聴することが可能です。イーロン・マスク氏は、彼の名誉にかけて、我々がこのインタビューを氏のプラットフォームである『 X 』に投稿した後、このインタビュー動画をコントロールしたりブロックしたりしない、と約束してくれました。そのことに大変感謝しています。それとは対照的に、西側諸国の政府は、他の、あまり主義に基づいているとは言えないプラットフォームにおいて、この動画を検閲し削除するよう最善を尽くすであろうことは間違いないと思います。それこそが、彼らのやっていることだからです。彼らは、自分らがコントロールできない情報を恐れているのです。しかし、あなた方はそれを恐れる必要はありません。我々は、プーチン大統領がこのインタビューで発言する内容に同意してくれ、と言っているのではありません。是非視聴して欲しい、と言っているのです。あなた方は、出来る限り多くのことを知っておくべきなのです。そうすれば、『奴隷』としてではなく、『自由を持つ市民』として、自分自身で決めることができるからです。

(2へ続く)

 

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