ネサラ・量子金融システム この長期にわたるインターネット詐欺について ③ ジョーダン・セイザー

 

この長期にわたるインターネット詐欺


デイナール・RV (再評価通貨)および量子金融システム詐欺

何年にも渡り、『ネサラ』の代替バージョンや、それに付随する副産物のような主張が次々と出現していった。2010年代半ば頃には、次のような主張が繰り広げられた。莫大な資金を保有する『グローバル担保口座』からの『繁栄パッケージ』等というアイデアが世界にリリースされ、これらの『繁栄パッケージ』と共に、イラク通貨ディナールジンバブエ通貨ジムなどの国際通貨は『RV再評価』 され、それらの価格が大幅に上昇するであろう、というものである。これにより、インターネットブロガーたちは、熱心な取り巻き達にできるだけ多くのイラク通貨ディナールもしくはジンバブエ通貨ジムを購入するように指示したのだった。NESARA や RV(再評価通貨)が実現すれば、それらの価値が高まり保有者は金持ちになるから、というわけである。

ジュディ・バイイントンというブロガーは、長期間、『Dinar Chronicles』などの ウェブサイトや、Rumble、YouTube の動画を通じて、イラク通貨ディナール関連の偽情報をオンラインで宣伝してきた人物の一人である。 彼女の主張によれば、『GCR Updates』を通じて世界に情報を提供している、ということなのだが。(この場合のGCRは Global Currency Reset の略)

ディナール・RV(再評価通貨) の話が、いつどこで始まったのか正確にはわからないのだが、オンラインで見つけることができた最も初期のものでは、2012 年のインターネットフォーラム『DinarDaily.net』の記事が存在する。また同じく2012年初頭、これらの見え透いた嘘について投資家に警告している大手メデイアによる記事もみつかっている。

デイナールにまつわるいくつかの大規模な金銭詐欺計画も、実行に移された。 2015 年には、オハイオ州のグループがRV(再評価通貨)で金持ちになろうとしている投資家から 2,400 万ドルを騙し取る事件も発覚している。

さらに『ネサラ』を取り巻く詐欺は、このイラク通貨ディナールにまつわるものだけにとどまらない。2018 年~ 2019 年には、『量子金融システム』なるものがこれに加わったのだ。 これについても、いつどこから始まったのかを正確に突き止めることは困難なのだが、私が見つけた最も初期の記事のいくつかは、この時期(2018~2019)のものであり、それがNESARA と一緒に売り込まれた 『量子金融システム』の一連の偽情報の始まりであった。

『マス・アウェイクニング』であるとか『銀河コネクション』等、当時偽物の NESARA を宣伝していたブログの多くが、デイナール・RV(再評価通貨) や 『量子金融システム』の時流にもこぞって飛び乗った事実は注目に値する。そしてその後に、 ソーシャルメディアのブロガーたちが、これらの情報源を拾い上げては同じ話しを繰り返し、偽情報 ネットワークをますます拡張させていった、というわけなのだ。

YouTube や Rumble などのビデオ共有 Web サイトの影響も、軽視することは出来ない。一部の ネサラ・ 量子金融システム・ディナール・RV(再評価通貨)関連のビデオなどは、数十万回の視聴回数を獲得しているからだ。そしてそれらは同じ物語を繰り返し、メッセージを増幅させ、あたかもそれらが正当であるかのような錯覚を与えようと互いの仕事を※エコーチェンバーとして利用し宣伝しあっているのである。

現代のNESARA詐欺師たち

2020 年代に入ると、特に 2020 年の夏頃から、さまざまなインフルエンサーたちがどこからともなくぞろぞろ出現し始め、ネサラ・量子金融システム・RV(再評価通貨) の偽情報を聴衆に吹き込み始めたのだった。 これらのインフルエンサーの多くは、同じネットワーク内で活動しており、互いに、というか、彼等だけの間で互いにインタビューし合い、エコー チェンバーに燃料を供給し続けているのだ。

これらのインフルエンサーの多くが、『Q 』現象やドナルド・トランプの人気を利用することで視聴者数を獲得していったことは注目に値する。 彼らは、偽情報の主張に Q ・トランプを利用しているのだが、ここではっきりとさせておきたい。トランプ・ Q は NESARA や 量子金融システム とは何の関係もないし、彼らがこれらについて言及したことは今までにただの一度もないのである。

 

彼等の動機とは

考えうる動機の最良のシナリオとしては、これらのインフルエンサーたちが、 ネサラ・量子金融システム・RV (再評価通貨)の主張を宣伝するのは、単純に彼等が馬鹿なのであり、理論の背後にある真実または理論事態の欠如について調査することを単に怠っているからだ、というものだ。

もしくは、考えうる別のシナリオとしては、お金のため、というものだ。これらのファンタジー理論に関する最新の『情報』を探している人たちが多数いるので、彼等は動画再生回数を多く獲得しているのだ。動画ファロワーたちは、キーボードに固執し、お気に入りのインフルエンサーからの投稿をいまかいまかと心待ちにしているわけだ。彼らは、舞台裏で起こっているはずの最新情報に乗り遅れずに付いていっている、と信じ込んでいるのである。

最後に、考えうる動機として最も陰湿な可能性を挙げるとするならば、彼等のうち何人かは、政府関連の防諜グループが心理作戦等の目的のために使用している偽情報について知っているのではないか、ということである。 

真実をもって守る

ネサラ・量子金融システムに関する偽情報のみならず、『メッドベッド』さらには軍事作戦、トランプと軍部に関連した内部情報源を持っているといった主張、ディープ・ステートの面々が秘密裏に逮捕され、グアンタナモで裁判にかけられているといった主張、政治家のクローンやボディ・ダブルスの話し、さらに多くの根拠のない声明に至るまで、それらに関する偽情報を宣伝することは、これらのクリックベイト盗賊たちに共通したテーマなのである。

彼らの真の目的は一体何なのか? これを見破るのは困難なことだが、いずれにせよ、彼らのオンラインでの行動は信じられないほど無責任であり、嘘や誤った情報で何百万とまではいかないまでも、何千人もの人々に害を与えていることになるのだ。

多くの人が、『そんなのは嫉妬だ!』、『ネガティブになっているだけだ!』などと言って攻撃してくるのだが、この現実のねじれと戦うことは非常に重要なことなのだ。 

この種のクリックベイトや偽情報が、個人や真実探求への動きに与える損害について、多くの人たちがあまりにも認識不足である。私たちは真実をもって嘘と闘い、難しい問いかけをし、ナンセンスを永続させる詐欺に反対する勇気を持って我々自身の活動を取り締まらなければならないのだ。

※エコーチェンバーとは、エコー効果を作りだす部屋のこと

 

トランプ・ Q は NESARA や 量子金融システム について言及したことは今までに一度もないのである。

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